2010年11月5日金曜日

博ボラ日誌その20 縹縷と書いて「はなだのる」


東京国立博物館で開催中の「東大寺大仏—天平の至宝—」で、今週から、正倉院宝物の公開がはじまった。
中でも一番の注目は、752年に大仏さんの開眼供養会で使用した筆と紐。
この紐は縹縷(はなだのる)というそうで、今も青い色が鮮やか。筆も、今でも使えそうなくらい保存状態が良い。
紐の長さは200メートルくらいあるそうだが、まとめてしばった状態で展示してある。

この筆と縹縷は、ガラスケースの中に、他の宝物と並べて展示してあるのだが、観客の皆さん、なんとなく流れにおされてしまい、そのままスルーの人も多い。
スルーするのは、いかにももったいない。
展示方法を変えて、筆と縹縷だけ、別のケースに展示したらもっと注目を浴びたんじゃないだろうか。
どちらにしても、この紐と筆の先に開眼時の大仏さんの姿がイメージできて、気分は一気に1250年もさかのぼる。

この既視感は何かと思ったら、『まんが日本の歴史人物事典』で、自分でもこの場面を描いていた。
既視感じゃなくて、既描感だった。
この時は資料が何もなく想像で描いたのだが、ちょっと筆が大きすぎたが、まあ雰囲気は出てるからよしとしよう。

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