2014年4月4日金曜日

マンガ全席第32話【ゲタばきデート】


1970年代のラジオは深夜放送全盛時代で、リスナーを招待しての公開録音コンサートがよくあった。
おカネのない小津クンは、このような催しによく応募していた。
応募するのはメールではなくハガキで、料金が7円から10円になった頃のことだ。
コンサートに出演するのは主にフォークソング系で、その中でもゲタばきがトレードマークだったのが、その頃「赤色エレジー」がヒットしていた、あがた森魚さん。
それに影響されてか、小津クンもゲタばきで公開録音コンサートにやってきたのだが、入り口でとがめられ、スリッパに履き替えさせられた。
ステージの上でのゲタは許されても、客席のゲタばきは許されないのだった。
めったにないデートなのに、履き替えたゲタをビニール袋に入れて、スリッパでペタペタ歩く姿では恋は生まれないのだった。愛は愛とて何にもならない。
(明日に続く)

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