2015年3月24日火曜日

がんばれ!純喫茶

マンガの原稿の作画は、いろいろと道具も必要なので、机に向かってする。
べつにファミレスのテーブルで描いてもいいのだろうが、そこまでやる勇気はない。
一方、作画とちがって、構想を練ったりするのは、外に出て珈琲でも飲みつつという場合が多い。
現在だったらカフェなんだろうが、MacBookを起動してドヤ顔している人がいたりして、どうも落ち着かない。
ファミレスのほうがまだマシだが、時間帯によっては子連れが多くてうるさかったりするので居心地が悪い。
それに、カフェもファミレスも、ボクのお気に入りの所はいつのまにか閉店して、行ける場所が減ってきた。そりゃそうだろう、お気に入りの条件が、あんまり混んでなくて長時間居座れるというのだから、閉店するのもやむおえない。
生き残ったカフェやファミレスはいつも混んでいる。その原因の一つに、従来からあった純喫茶というものの激減もあるような気がする。これまで純喫茶に行っていた客も、行き場所を失って、しかたなくカフェに流れているのかもしれない。

滅び行く純喫茶の必須アイテムは、スポーツ新聞、マンガ雑誌、灰皿、ナポリタン用のタバスコ。
もっと伝統的なお店だと、テーブルにゲームが内蔵されていたりする。さらに古いお店だと、テーブルの上に、小さなピーナッツ販売機が設置されていることもある。
ソファは長年の埃を吸い込んで元の色がどんなだったかわからないくらいだが、妙に座り心地の悪いカフェのおしゃれなチェアよりも、こちらのほうがくつろげる。
お店のマスターも数十年前に脱サラして開業したものの、寄る年波には勝てず、あと何年営業できるかな〜といった感じの人が多い。
お客さんも常連がほとんど。たまに、初めての客が入ろうものなら、それまでのにぎやかな談笑が急に静かになり、何しに来たんだ?といったような視線をなげかけられる。
でも、店の片隅で常連さんのジャマにならないようにおとなしくして、珈琲を飲みつつノートを広げていると、そのうち店の雰囲気にもとけ込んでいく。そうこうしているうちに、思いもよらないマンガの面白い構想が広がったりするのが、純喫茶のいいところ。
そんな純喫茶も一軒、また一軒と消えていく。
もはや珈琲界の絶滅危惧種ともいわれる純喫茶だが、滅亡するのはしかたないにしても、最後の日までがんばってほしいと切に願う。
と言いながら、ついつい手軽なカフェやファミレスに行ってしまうのではありますがね。

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