2009年8月13日木曜日

サンデーマガジン50年、そして100年

川崎市市民ミュージアムで開催中の、「サンデー・マガジンのDNA週刊少年漫画誌の50年」にいってみた。
新旧の原画が展示されているが、圧巻は『あしたのジョー』の最後のページ。
ホワイトの修正跡も生々しく、画用紙にグイグイとペンでかいた、これぞマンガの原稿といういえるものだ。
最近の漫画家の原画も展示されているが、プリントアウトしたものも多く、妙に小綺麗でいまいち迫力に欠けるような気がする。しかし読者にとっては原画がどうであろうと印刷されてしまえば関係ない事だから、まぁどっちでもいいってことか。

トキワ荘の面々の若き日の写真もある。
みんな、希望にあふれる表情がいい。
しかし、数十年後に自分たちのかいた原稿が恭しくミュージアムに展示されて、人々がお金を払って見に来るなんて事態は予想もしなかっただろうし、ましてや望んでもいなかっただろうなぁ。
この展示に限らず、近頃がマンガ関連の懐古企画がよくあるが、それだけマンガというメディアが老いてしまったのかも。

サンデー・マガジンの50年間と歩調を合わせて、読者としての立場から、漫画家への立場は変わったものの、ず〜っと漫画界にいて思うが、まさか21世紀になっても紙に印刷するマンガ雑誌が生き残っているとは思わなかった。
自分がオトナになるころは、21世紀の未来社会になっていて、空にはエアカーが跳び、銀紙で作ったような宇宙服みたいなものを着用して、テレビ電話で会議して、みたいなことを考えているノーテンキなコドモだったので、漫画家にはなりたいけど、自分がオトナになるころは漫画家という職業はなくなってるんだろうなぁなんて思っていた。

さて50年後はどうなってるんでしょう。
「サンデー・マガジンのDNA週刊少年漫画誌の100年展」が企画されてるんでしょうか。
その頃は、ペンで画用紙にマンガをかく技術はほとんど廃れて、人間国宝になった古い漫画家が細々と活動していたら面白いね。
まぁ、そんな感じでお国のバックアップを受けるようになったら、そのジャンルは滅亡への道を歩み始めてるようなもんでしょうが。
てなわけで、MANGAは世界にほこる文化とかなんとか言われなくても、マンガが好きなものは勝手にやるからほっといてよ、というのが永遠のマンガ少年のココロなのだ〜。

そうそう、原画だけでなく、漫画家の使用する道具も展示されている。
ご覧になればわかるが、伊東屋とか丸善で購入したような舶来デザイン用品なんてものではなく、そこらへんのスーパーで買ったような文房具ばかり展示してある。
なかでもインク(墨汁かも?)が垂れた三角定規の汚れに注目してほしい。
慣れないと、あれで何度画用紙を汚したことか。
それに、トイレットペーパーも一緒に展示して欲しかった。あれも漫画家の必需品ですから。

この企画とは全然関係ないが、iPhoneは21世紀の未来を体現しているな。
iPhoneを横位置にして4コマまんがを1こまずつ表示させると、これが意外と見やすいのだ。
案外21世紀のiPhone時代でも、4コマ漫画は生き残るのではないかと、完全に我田引水モードに入ってみた。

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