漫画家の仕事に契約書というものはない。今はどうかわからないが、小津クンがかけだし漫画家だった約40年前頃はそうだった。
連載の回数なんて、とてもあやふやなものだった。
打ち合わせに時間をかけて満を持してスタートした作品がすぐ終わったり、穴埋め読み切り作品が何年も続く連載マンガになったりもするから、意外性があって面白いと言えば面白い。
驚くべき事に、原稿料のとりきめもほとんどない。
入金があってはじめて、ページあたりの原稿料がわかったりする。これってビジネスなのかとも思うが、よくいえば牧歌的な時代であった。
後年、小津クンもだんだん評価されて新聞やマンガ雑誌以外の雑誌などでも仕事をするようになり、マンガ雑誌の原稿料があまりに安い事に気付くのだった。
本来ならば、マンガがメインのマンガ雑誌の方が、原稿料も手厚いのが道理だと思うのだが、果たして現在はどうなのであろうか。
アシスタントが何人か必要な体制のマンガ家の場合は、連載が終わったらトータル赤字だったなんてこともあるという。このようなのを「連載貧乏」というらしいが、漫画家というものが職業として成り立つのか心配になりそうなエピソードではある。
(いつになるかわからないけど、次回に続く)
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