2014年3月7日金曜日
マンガ全席第28話【原稿のヨゴレ】
マンガの原稿はきれいなものから、そうでないものまでいろいろある。
修正部分が全然ないきれいな原稿から、二重三重にポスターカラーで修正して表面がゴワゴワになったものや、切ったり貼ったりの部分がいっぱいで原稿の裏をひっくり返したらセロテープがベタベタなんてのもある。
小津クンの原稿は、その中間あたりのヨゴレ具合で、可もなく不可もなしといったところか。まァ、原稿の内容も似たり寄ったりとも言えるが。
どちらにしても、紙原稿時代ならではのエピソードである。
現在のようなデータ原稿の時代から見ると、起こりえないエピソードとも言える。
データ原稿といっても、今のようにネット経由ではなく、当初はフロッピーディスク(FD)が中心だったので、本格的なマンガ原稿をこれで入稿するのには無理があった。
そこで次にやって来たのが光磁気ディスクとも呼ばれるMOだった。このMOならFDに比べて容量が大きいので、マンガ原稿の受け渡しも可能だった。しかし、FDに比べてMOは高価だったので、ディスクの表面に「要返却」なんて文字が書かれ、1枚のMOが何度も行き来していたのは歴史的事実である。
手から手へと渡るうちに、タバコのヤニやらコーヒーのシズクやらがMOの表面についたりして、だんだん汚れてくるのが常だった。
データ原稿なのにヨゴレがつくという、ある意味において過渡的な媒体がMOだったのかもしれない…などと、別に感慨に耽るような内容のマンガではないのだった。
(いつになるかわからないけど、次回に続く)
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