2023年9月20日水曜日

夕陽に向かって走れ!

ある日の夕方。緑地帯の遊歩道をウォーキング中のこと。

人がちょうどすれ違えるくらいの幅しかない、普段は自転車も入ってこない、そんな道。

後方から、シャーッと音がして、振り向いたら、坊主頭の無表情な男子高校生が、無言のまま自転車で全力疾走してくる。と、思う間もなく、ワタクシの横をスレスレで追い抜いて、前方の夕陽に向かって走り去って行った。

部活が終わって空腹に耐えきれず、一刻も早く家に着いて大飯を喰らいたいのかな〜と、呑気なことを考えながら、その後ろ姿を見送っていたら、またしても後方からシャーッと音がして、全速力の自転車が近づいてくる気配。

振り返って見ると、先ほどの坊主頭と同じ制服だが、今度はポニーテールの女子高生。

こちらのほうは、坊主頭とちがってなにやら喚きながらの全力疾走。

鬼のような形相で、「待って〜!」とか「やめて〜!」とか言っているような気もするが、なにしろ大変な剣幕で、発する言葉はよくわからない。歩いているワタクシの存在など目に入らないようで、坊主頭と同じく、横をスレスレで走り抜け、夕陽に向かって走る前方の男子高校生を追って、その姿はみるみる小さくなる。自転車で疾走する二人のシルエットは、夕陽に突っ込んだみたいな感じで、あっという間に消えてしまった。

この間、わずか数秒。

あの二人は、いったい何だったんだ?

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