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2017年7月29日土曜日

『なぜイギリス人は貯金500万円で幸せに暮らせるのか』を読んでいる

この本『なぜイギリス人は貯金500万円で幸せに暮らせるのか』を読み進めて行くうちに、50代のトレイシー・ハイドマーク・レスターが登場してビックリ!
小さな恋のメロディ』から46年が経過したんですね。

2016年12月30日金曜日

2016年に見た映画たち

銀座退屈娘、白鯨、殺されたミンジュ、大魔神怒る、オデッセイ、にっぽんのお婆ちゃん、尻啖え孫市、与太郎戦記、新与太郎戦記、俺っちのウェディング、ガス人間第一号、阿寒に果つ、大日本チャンバラ伝、かあちゃん、シミキンのオオ!市民諸君、この空のある限り、ヘイル、シーザー、天下の快男児万年太郎、忘れえぬ慕情、デン助の陽気な靴みがき、おけさ姉妹、大笑い大福帳、お父ちゃんは大学生、ジミー野を駆ける伝説、ゲンと不動明王、紅顔の密使、怪談お岩の亡霊、TOO YOUNG TOO DIE、沓掛時次郎遊俠一匹、河内カルメン、四つの恋の物語、ひよどり草紙、シン・ゴジラ、真田風雲録、男の顔は履歴書、清水港は鬼より怖い、風俗画近卋初期他、昭和女博徒、山中常盤、人も歩けば、ゴーストバスターズ、世界大戦争、ヴァニタス、楽しい学校生活、溶ける、人間のために、幽霊繁盛記、喜劇陽気な未亡人、ザ・ビートルズ〜EIGHT DAYS A WEEK、君も出世ができる、グンナール・ヘデ物語、荒野の決闘[非公開試写版]、刑事物語、夜の空を行く、東京ロマンスウェイ、たそがれの東京タワー、小さなムックの物語、猫が変じて虎になる、シング・ストリート、onceダブリンの街角で、東京は恋する、灰かぶり姫の三つの願い、ドントブリーズ、金星ロケット発進す、銭ゲバ、白昼堂々。

2016年9月13日火曜日

反戦映画今昔2本

たまたま同じ週に、同じテーマを持った映画を2本見た。
1本は新しい映画人間のために、もう1本は古い映画世界大戦争
どちらもテーマはシンプルで、漢字二文字で表すと"反戦"。

この数年、いやな感じの同調圧力が増して、同じ旗のもとに同じ歌をうたい、少しでも異なるものを排除してムキーとなる人が、戦争をしたくてなにやらグダグダ言うのがきこえるようだが、そんな風潮の世の中で、直球ストレートど真ん中で反戦を言い放つこのような映画に接すると、清々しく感じてしまうよ、まったくのところ。

『世界大戦争』のラストシーンでは"戦争なんかやめようよ〜"といった意味の文章を大きな文字で観客に直接訴えるのだから、いい意味で凄い!
ただ、山村聡演ずる総理大臣が、戦争放棄被爆国の立場からなんとか戦争をやめさせようとがんばるなか、体調がものすご〜く悪いのにもかかわらずタバコをスパスパ吸いまくるので、観客としてひとこと言いたかった。
「総理、戦争だけでなくタバコもやめたほうがいいよ〜」

2016年4月29日金曜日

GWにNFCで考えたこと

映画は映画館で見ることにしています。
いや、映画館以外で見るのは映画とは言えないよ、などと思ってるわけではなく、映画館の座席に座って映画を見ながら、映画以外のことをアレコレかんがえるのが好きなんです。
だから映画の内容はほとんど覚えていません。

スクリーンを見ながら、アレヤコレヤいいろいろ考えると、なかなか良いマンガの案が出たりすることもあるのです。この画像は小さなミニシアターで考えた『ユキウシ』のひとこま。まぁ良い案だったかどーかは別として。
とはいっても、長時間考え続けるのは疲れるので、上映時間は90分以内にしてほしいもんです。
内容はどーでもいーから、時間調整をなんとかしろなどと、これじゃあとても映画ファンとはいえませんね。

てなことを、GWなのにいつものように静かな東京国立近代美術館フィルムセンター展示室で開催中の『写真展 映画館』"映写技師/写真家 中馬聰の仕事"展で展示されている、今はなき銀座シネパトスの座席を見つつ考えたのでありました。

2016年3月1日火曜日

荒野の8人!映画『ヘイトフル・エイト』は小汚くも(いい意味で)、小気味よい。

冒頭から往年のマカロニウエスタンみたいでワクワクさせてくれる。
中盤も全然だれない。
後半も盛り上がる。
映画館の暗闇の中で楽しい午後を過ごした春の日であったことよ。
ただ、3時間近い大作は、おしっこの近い人には長過ぎるようで、映画の後半には何人かが出たり入ったりして、ちょっと興趣がそがれたのだった。
それに外回りの営業っぽいオジサンが、仕事の連絡が気になるのか、映画の後半で何度もスマホ画面を確認するもので、スマホ画面の光が視界に入って気になってしまった。
90分くらいにコンパクトにまとまっていたら、おしっこに行く人も、スマホを確認する人もなく、落ち着いてみることができたのかもしれない。
まァ、長丁場でも、おしっことスマホをガマンしてくれればすむことではあるので、タランティーノ監督に罪はない。

2016年1月31日日曜日

キューバ映画特集で『公園からの手紙』

1988年製作の映画で、物語の舞台は1913年。
でも、今見ても全然古くない。
いつの時代でも理解出来るシンプルな恋愛悲喜劇だから。
恋におちた男女のそれぞれが頼んだラブレター代書屋さんが同一人物で、なんと代書屋のオジサン詩人が、娘に恋してしまうというもの。
この髭もじゃ詩人、筆だけでなく弁も立つ。
で、なんだかんだあって、ラストシーンでは娘がハンカチを右手に握りしめて代書屋のもとにやってくる。
実はこれには伏線があって、オジサン詩人が娘にいろいろと恋のレクチャーをしていたのだが、その中のひとつにハンカチ云々というものあったんですね。

映画が終わり場内が明るくなり始めた時の、後ろの席の中年カップルの会話。
女性「ロマンチックなお話ね」
男性「ふ〜〜〜ん」(鼻息まじりで)

そんな映画でありました。
東京国立近代美術館フィルムセンター大ホールにて。

2016年1月26日火曜日

韓国映画『殺されたミンジュ』の活力

ひさしぶりに見た韓国映画『殺されたミンジュ』。
画像は、主演のマ・ドンソク。
ご覧の通り、かなり怖い顔です。
映画の内容もかなり怖い。
日頃、ラピュタ阿佐ヶ谷や、京橋フィルムセンターで、もうこの世にいない人たちが出演している映画ばかり見ているせいか、まだ現役バリバリで生きている人たちが出ている映画はさすがに活力があるわいな、と妙な感心をしたのでありました。

2015年12月29日火曜日

映画『吹けよ春風』、嵐は呼ばない。

ラピュタ阿佐ヶ谷にはいつも上映開始1時間前くらいに着いて整理券をゲットする。
通常は7番目か8番目くらい。
それが本日は26番とな!
そんな人気の映画だったのか?

というわけで、ラピュタ阿佐ヶ谷の特集企画「東京映画地図」で『吹けよ春風』を見た。
若き日のミフネがタクシードライバーに扮して戦後のトーキョーの街を流します。
乗客は、いちゃつくバカップル、家出少女、少年達、ピストル強盗、酔っぱらい、人気スター、老夫婦、わけあり復員兵等々。
それぞれのエピソードがを見ながら、なぜかピンクフロイドの『吹けよ風、呼べよ嵐』が頭の中をグルグル♪
これだけじゃあどんな映画かわからないでしょうから、どんな映画か気になる人は、寒空はだか師匠の「即席映画狂」を見てくだされ。

この映画の製作は1953年。
ざっと60年前。
時代劇でも現代劇でも、悲劇でも喜劇でも、この頃の映画はとても開放感がある。

これから60年後あたり。
2010年代の映画は、時代劇でも現代劇でも、悲劇でも喜劇でも、なんだか閉塞感があるよね〜と言われそうな予感。
そんなこんなで、来年の春風に希望をもちたいものです

2015年10月10日土曜日

ピアノ伴奏でハラキリ

ヨーロッパで1919年に作られた、幕末の日本を舞台にした無声映画『ハラキリ』を、ピアノ伴奏付きで見た。
東京国立近代美術館フィルムセンターで開催された、「シネマの冒険・闇と音楽」の一本。
映画は、欧州から帰国した大名の姿から始まる。
大名の名前は「トクヤワ」。徳川ではない。
大名の娘の名前は「おタケさん」。お姫様の名前と言うより女中さんの名前。
侍女の名前は「ハナケ」。おそらく花子の聞き違い。
悪い僧侶の名前は「ボンズ」。たぶん坊主のつもり。
その土地の領主の名前は「マタハリ」。もはや日本語ではない。インドネシア語で太陽の意味だったような気がする。

そんな不思議な映画だった。
映画も不思議だが、約100年前に作られた日本を題材にしたヨーロッパ映画を、21世紀の日本で見るのも、これまた不思議ではあるなァと思った旧体育の日

2015年7月24日金曜日

33年前に見逃した映画『ヘリウッド』

東京国立近代美術館フィルムセンターで開催中の「特集・逝ける映画人を偲んで2013-2014」で、封切り時の1982年に見逃した映画『ヘリウッド』を見た。
エンケンこと遠藤賢司の「東京ワッショイ」が全篇に流れ、斉藤とも子、青地公美、羽仁未央の美少女探偵団が大活躍のSFミュージカルコメディ♫
30年以上前の映画なのに、いま見ても全然古くない…というのも、見ているワタクシが既に古い人間だからかも知れないが。
この特集企画は、2013年2014年に亡くなった映画人に関連した作品を上映するものなのだが、この映画で誰が亡くなったのかと思ったら、美少女探偵団員役の羽仁未央ちゃん。
50歳というのは、まだまだ早かった。
突然の雷雨で上映前に駆け込んだフィルムセンター♫
映画を見終わって外に出たら、雨はあがってたー♫
空に虹はかかっていなかったー♫
yeah♫

2015年6月18日木曜日

クロアチア映画を英語字幕で

京橋フィルムセンターで開催のEUフィルムデーズ2015で見たクロアチア映画『ヴィザヴィ』。
何の予備知識もなしに行って、場内が暗くなって気づいたのが、今回の上映は英語字幕のみということ。
まぁ画面を見ながらなら、なんとかなるだろうと自分の英語力を過信していたところ、思ったより台詞が多くて、常に2行の字幕を読みながら画面を見るはめになってしまった。
1行ならなんとかという理解力なので、結局のところ半分しか読めない(笑)。
そんなこんなで以下のような内容の映画だったような気がするが、果たしてそうなのかは確信がもてない。

主人公は映画監督で、脚本を書いている。
その映画のテーマは「父と息子」のような気がする。
父親役の俳優に出演を要請しにいったら、その俳優は食事をしながらあまりいい返事はしていないような感じがした。脚本の内容よりも、食べているハムが最高にうまいと力説している。それに、息子が気にいらないと言っているような気もする。会話の流れからして、自分の息子のことではなく、映画の中の息子のことだと思われる。
この後、主人公は脚本を書くためにある島に行くのだが、一緒に一人の男性と行くことになる。
この男性は、どうやら映画の中で息子役を演じる俳優らしい。
この俳優氏、何か私生活で問題を抱えているようで、しょっちゅう彼のiPhoneにメッセージが届き、その度に聞き慣れたiPhoneの着信音がなるので、映画を見ながら思わず自分のiPhoneが鳴ったのかとポケットに手をやってしまう。その都度、ああ自分のiPhoneじゃなくてよかった〜と胸をなでおろしたのだった。

島での二人の合宿生活のようなものが始まる。
ホテルに泊まっているのかと思っていたら、どうやらここは主人公の父親が数年前に亡くなるまで住んでいた所らしい。父の残したお酒や描きかけの絵やベスパがある。
主人公はMacBookで脚本を書きすすめる。もちろんiPhoneも使っている。着信音や形状からすると、4sあたりのiPhoneのよう。前述のしょっちゅうメッセージが届く俳優氏のiPhoneは5だったかも知れない。
そのうち、二人で洞窟に行くような話をしている。
字幕の誤読かと思ったが、その後のシーンで洞窟に行ったので、この推測は合っていたが、なぜ洞窟に行ったのかは不明。

主人公は、前述の父親役俳優に再度面会に行く。
今度も食事をしながらで、前回のハムとちがって、今回はソーセージが最高だとほめる。
そうこうしているうちに、息子役の俳優氏は体調を崩して入院してしまう。
主人公は脚本を書き進め、またしても父親役俳優のところに行く。例によって食事をしながらの会話が続く。今回は父親役俳優氏が食べ物のことに言及しないので、主人公が父親役俳優に、味はどうですかときいたら、もちろん最高だよと言う。
このあたりになると、もう英語字幕を読むのに疲れていて、このシーンで何を食べていたのか今となっては思い出せない。

なんだかんだあって、映画の制作はうまく行きそうな雰囲気で終わった…ような気がする。
「どうやら」とか「らしい」とか「ような気がする」ばかりの感想は以上でオシマイ。
それにしても、父親役俳優氏が三度目の食事のシーンで食べていたのはなんだったんだろう。すくなくとも、寿司ではありません。

2015年5月24日日曜日

10年越しの映画『パッチギ』

何度もチャンスがありながら、どうしても見逃してしまう映画がある。
そんな映画の1本が『パッチギ』だった。
今年の春に東京国立近代美術館-フィルムセンターで開催された「自選シリーズ 現代日本の映画監督(3)井筒和幸」でもこの映画が上映されていたが、どうしてもタイミングが合わず結局見逃してしまった。
そんなこんなで、もうこの映画を見るのはあきらめていたのだが、「京橋映画劇場アンコール特集」でこの映画がかかっているのを知り、なんとか最終日に駆けつけて、公開から10年経ってやっとみることができた。

映画の舞台は1968年、場所は京都、主人公は高校生。
全篇に流れる「イムジン河」のメロディ♫
このへんの時代を舞台にした映画は、その頃の空気を吸っていた身としては、「ちょっとちがう気が…」という出来のものが多いが、この映画は違和感なく楽しめた。
まぁ、ボクが監督と同年代だからそう感じるのかも知れませんが。
当時のラジオの深夜放送で「イムジン河」を聴き、通学カバンの中に毛沢東語録をしのばせていた高校生もいまや立派なオジーさん世代になっている。
劇中で「明日、戦争に行けと言われたらどうする?」というセリフがあったが、まさか21世紀になって、そんな事が現実になってしまうかもしれないような世の中になるなんて、今ではオジーさんになってしまった当時の高校生は、悲しくてやりきない♫のだった。
きょうの上映は、地下の小ホールで観客も満員ではなかったが、終映後は客席から拍手がパチパチ。

2015年5月15日金曜日

映画『セッション』叩くんだジョー♫

オイラはドラマー、師匠はスパルタ教(狂?)師、舞台は音楽学校、二人がぶつかりゃ嵐を呼ぶぜ♫
なんの予備知識もなしに見たら、なんとまァ凄まじい熱血根性ドラム師弟合戦映画でした。
果たして生き残るのはどっちだ?
しかし、この人たちは一体なんなんだ?
師匠も師匠もなら、弟子も弟子だ!
この人たち、どこかにいってしまってる!
そんなバカなと吹き出しながら、ついつい画面にひこまれ、握り拳でヨッシャーと心の中で叫んでしまう、そんな映画です。
ラストシーンの二人の戦いは、まさに宇宙を舞台にお互いのエネルギーがぶつかりあうスペクタクル。
でもって、いちおう、ジャン!と映画は終わるんですが、この人たち、そんなことおかまいなしで、スクリーンの裏側で延々と戦い続けているんじゃないかと思ってしまう。
それにしても、師匠の頭の血管が迫力ありすぎ!

2015年5月5日火曜日

1969年のハーイ!ロンドン♫

ラピュタ阿佐ケ谷の「春爛漫歌と踊りの銀幕祭典 Dancing,Singing!」、後半戦はGS映画も登場して、そのうちの『ハーイ!ロンドン』はザ・タイガースの主演映画。
トッポが抜けてシローが加入した頃で、ザ・タイガースとしても後期に入った段階。
相手役はもちろん久美かおり!
タイガース映画ではお馴染みの、サリー(後の名優岸部一徳)の棒読みセリフも楽しめる。

ところで、ラピュタ阿佐ケ谷で上映される昔の映画の楽しみのひとつに、スクリーンに映る当時の街並や風景がある。今回の映画でいちばん印象的なシーンは、ジュリーが乗った車の脇をオシャレなカップルが乗ったかっこいいスポーツカーが颯爽と駆け抜ける場面。し、しかし…スポーツカーの前を走っているのはバキュームカーだった。

てなわけで、この映画が公開された1969年から46年が経ち、ゲンパツはあんな事になるし、戦争したい政権はできるしで、世の中のあれやこれやが大きく変わってしまったが、それにも増して一番変わったのはジュリーの体型かも知れません。

2015年4月15日水曜日

ハイハイ3人娘の季節はスパーク♫

ラピュタ阿佐ケ谷で3月中旬から5月中旬まで上映の、特別企画「春爛漫歌と踊りの銀幕祭典 Dancing,Singing!」で、4月に見たのは『ハイハイ3人娘』と『続・若い季節』。
どちらも、中尾ミエ園まり伊東ゆかりのスパーク3人娘が歌って踊って、踊って歌う楽しい映画。
『ハイハイ3人娘』の冒頭で、スリーファンキーズ(高橋元太郎が抜けた後の)と3人娘が「ハイそれまでョ」を教室で歌い踊るシーンの素晴らしさよ♫
『続・若い季節』のタイトルシーンで、五輪直前の東京の高速道路やビルディングの建設ラッシュ風景を、これでもかと誇らし気に見せるのが、今からみるとホント微笑ましい。
この頃、”テナコトイワレテソノ気ニナッテ”、原子力による発電も行われ始めているが…数十年後に”ハイソレマ〜デ〜ヨ〜”になりかけるなんて思いもしなかった。
フザケヤガッテフザケヤガッテコノヤロ〜♫というようなことは置いといて、「春爛漫歌と踊りの銀幕祭典 Dancing,Singing!」の今後の日程だと、この3人娘主演映画はもうないようで、そのかわりといってはなんですが、ザ・ピーナッツやピンキーの出演作が気になりまする♫

2015年2月19日木曜日

ベトナム映画『きのう、平和の夢を見た』を見た

東京国立近代美術館フィルムセンターで2015年2月17日から3月15日まで開催される【現代アジア映画の作家たち】の一本、ベトナム映画『きのう、平和の夢を見た』を見た。
時はベトナム戦争、野戦病院の小さなランプの灯りで、美しき女医トゥイが綴った日記を題材にした映画。
帰路に購入したクリアファイルブックの商品タグを見たら、MEDE IN VIETNAM の文字。これもなにかのご縁か。
というわけで、平和の夢は、きのうも今日も明日も見たい

2015年1月26日月曜日

日本映画史横断⑤ 東映時代劇の世界・中半戦で『歌舞伎十八番鳴神美女と怪龍』

東京国立近代美術館フィルムセンターで開催中の「日本映画史横断⑤ 東映時代劇の世界」中半戦で『歌舞伎十八番鳴神美女と怪龍』を見た。
主演は若き日の乙羽信子。脚本はもちろん新藤兼人。
ボクが子供の頃見た乙羽信子さんはすでに立派な中年女性だったので、この映画での若き日の乙羽信子さんを見るのはある意味新鮮だった。
その他の出演者では、若い坊主役の殿山泰司(まだ若いはずなのに晩年のイメージそのまま)、暴れる僧兵の親玉に吉田義男(野球界の吉田義男ではない)などの懐かしい顔もチラホラと。

スクリーンの若き日の乙羽信子、途中から誰かに似ているな〜と思い始め、ふと気付いた。
小泉今日子に似ているのではないかと。
ということは、小泉今日子の晩年の姿は乙羽信子似になるのだろうか。
この二人が似ているなんて今まで全然考えもしなかったが、突然この二人の顔が重なって見えてきた。
このイラストもそういえば乙羽信子というよりもキョンキョン風になっている。
なにっ?どちらにも似てないって?ほっといてくれ!どーせ似顔絵は得意じゃないよ!
まっどちらにしても映画の内容と、この件は何も関係はない。

イラストで乙羽信子扮する姫が手に持っているのは恵方巻ではなく、安倍晴明も解読出来なかった古文書巻物。
この巻物に旱魃で苦しむ農民達を救う龍を出現させるヒントが書いてあるのだが、もちろん姫も読めない。実は龍が現れないのは鳴神上人が法力で龍を水中に閉じ込めているのだが、そこは美貌の姫君、ちょっとしたお色気作戦で鳴神上人の法力をみごとに打ち破る。
ある意味主役でもある怪龍くん、法力が途切れたり回復するたびに、何度も水中から出たり引っ込んだりして、恐いと言うよりも可愛らしい。

この会場、いつもは既に毛髪が少なくなった人や、あっても白くなっているような人ばかりの客席なのに、なぜか今回はブラックロングヘアの若い女性の姿も見受けられ、いつになく華やいだ雰囲気が漂っていたが、フィルムセンター名物の「暗くなったらスイッチが入って大イビキのオジーさん」は健在で、やはりここはフィルムセンター。
開演5分後には盛大なイビキがきこえてきた。
それでもたいていは途中で静かになるのに、今回は時々「フガガガ…」といったかと思うと急に静かになり、やおら「フンガッ!」というタイプで、無呼吸症候群というのか、あまり静かだと逆に心配になってしまうようなイビキが延々続くのだった。
てなわけで、イビキをBGMに古い映画を見るというのも、フィルムセンターの醍醐味のひとつかも知れないと思うのだった。

2015年1月14日水曜日

日本映画史横断⑤ 東映時代劇の世界・前半戦

東京国立近代美術館フィルムセンターで開催中の「日本映画史横断⑤ 東映時代劇の世界」前半戦で、まずは『大地の侍』を見ました。
東映時代劇といえばチャンバラのイメージですが、この映画は全篇チャンバラなし。
東北の某藩の殿様やら家老やら侍達が、明治維新の世の中で居場所がなくなり、皆で揃って北海道開拓に挑む物語なので、もはやチャンバラの世の中ではないと言う設定です。
主演は家老の大友柳太朗なんですが、老人役の加藤嘉が妙に印象に残ります。劇中でも名前ではなく”ご老人”と呼ばれています。この映画の撮影時にはまだ中年のはずですが、げっそりした頬で期待を裏切らずに堂々の老人役です。
女優陣では、三条美紀や杉村春子等、奥方役でいろんな人が出ています。
若侍加東大介の新妻役には高千穂ひづる。この頃の映画は、人妻役はちゃんとお歯黒スタイルです。
しかし映画の終盤では、このお歯黒もなくなっています。殿様も髷を切って長州力みたいなヘアスタイルになっているし、チャンバラの時代は完全に終わったのでした。
映画が終わると場内から拍手がパチパチ。
ここの名物(?)年輩者のイビキもなく、感動の一作なのでありました。

2014年12月26日金曜日

映画監督・千葉泰樹特集」後半戦

東京国立近代美術館フィルムセンターで開催中の「映画監督・千葉泰樹特集」後半戦は、まだ『羽織の大將』しか見ていない。
この映画、何の予備知識もなしに見たのだが、今まで見たベスト10に入ると思えるくらいの映画だった。とは言え、ベスト10のうち残りの9本は何かと問われても、すぐには言えないのだが。全体を通して通俗的にカッチリ作ってあってわかりやすい映画なのに、時々ヌーベルバーグ風味のシーンがあったりもして、いろんな意味で楽しめる。

大学卒で落語家になるフランキー堺の、卒業間際の就職運動(この頃は就職活動とはいわなかった)、落語家入門から見習い、二つ目、破門、復帰の数年間が、兄弟子の桂小金治(落語を演じるシーンあり)や、ラーメン屋の店員団令子(キュート!)、妹の原知佐子(可憐!)、芸者の塩澤とき(ゴージャス!)等とのからみで描かれる。

早めに入門しないで、大学を卒業したことを後悔するフランキーに対して、「前科は消せねぇよ」と諭す小金治のセリフが面白い。
その後、落語からだんだん離れてテレビやラジオで売れていくフランキーに説教する兄弟子の桂小金治だが、実際の小金治が落語から離れてテレビや映画で売れていくのだから、このやりとりちょっと複雑ではある。フランキーが落語以外の仕事をたくさんこなすなか、ドラマの中で絞首刑になる役で「私は貝になりたくない」とつぶやくのも笑わせる。

なんだかんだあって、小金治が死んでしまい、遺影の前でご焼香代わりに一席演じるフランキーが泣かせる。ボクの隣の席でイビキをかいていたジーさんも、この場面ではなぜか目を覚まして泣いているのが、映画とは関係なく面白かった。
やがてハネ太鼓が叩かれ、「おわり」の文字が画面に。
おあとがよろしいようで。

2014年12月12日金曜日

バンザ〜イなしよ!


東京国立近代美術館フィルムセンターで開催中の「映画監督・千葉泰樹特集」前半戦は、『東京の恋人』と『秀子の應援団長』しか見る事ができなかった。
前者は、原節子と三船敏郎の組み合わせで、後者はキネマ殉報のオールタイム・ベスト映画遺産 日本映画男優・女優100で女優部門第1位に輝いた高峰秀子主演の明朗野球映画。
この画像は『秀子の應援団長』のラストシーン、まだ少女時代の高峰秀子ちゃんが、無人の野球場でひとりぼっちで万歳三唱する姿からの連想。
1940年制作の映画だから、バンザ〜イナシヨ!なんてギャグは当然のことながら誰も知らないし、2014年現在では逆に古すぎて知らない人が多いかもしれないが、まぁそーゆーもんだと思ってください。

この映画が世に出たのは十五年戦争真っ盛りの時代だから、映画の中で「勝て!勝て!」と連呼するのは戦意高揚の意味合いが多分にあるでしょう。でもそんなに前面に戦時ムードが出ているわけでもないし、この時代の映画監督はあれやこれやで大変だったろうから、軽い感じのアイドル映画としてはまずまず楽しめたなぁと、客席でエンディングを迎えたわけです。
流れからいけば、秀子ちゃんが野球場に駆けつけて、勝て!勝て!と応援歌を歌い、最後には勝利してみんなで万歳三唱でメデタシメデタシよかったねという展開なのに、なぜかこの映画ではそうはならない。家を出るのが遅れた秀子ちゃんが野球場に着いた時は、なんとグラウンドにも観客席にも誰もいない。スコアボードにはまだ得点が表示されているので、試合が終わった直後らしいのはわかる。それなのに、無人。その静寂の中で、観客席に立った秀子ちゃんが、一人で万歳をする場面で映画は唐突に終わってしまう。それまでのテンポと全然違うので、あっけにとられてしまった。
これ、もしかして、威勢のいいかけ声でドカチャカやってても、いずれは破滅して誰もいなくなっちゃうよ〜ん、無邪気にバンザイしてる場合じゃないよ〜ん、みたいな意味合いがこめられているのではないでしょうか?もしボクが当時の映画監督でこの企画を受けたら、たぶんそーゆー意味合いを込めて撮ります。

この映画公開から5年後、この映画の中のような生活はほとんど壊滅してしまうのですが、さらに70年がたとうという今、この道しかないわけでもないのに、いつか来た道に行きかけているなんて、まるで出来の悪い冗談にしか思えません。
今度の日曜日夜には、いろんな所からバンザ〜イの声が聞こえてくるのでしょうが、もし選挙前に報道されているような投票結果になったら、ほんと「バンザ〜イなしよ!」のココロだ〜っ!これ、小沢昭一的ココロの感じです。わからなければ、それでもかまいません。
蛇足ついでに、バンザ〜イなしよ!はコント55号時代の欽ちゃんのギャグです。

蛇足の蛇足。
このラストシーン、もしかして高峰秀子ちゃんのスケジュールと、野球場エキストラとのスケジュールが合わず、やむなく秀子ちゃん一人での万歳シーンになってしまったなんてことはないのだろうか。もしそうなら、今までグダグダ書いたのがバカみたいじゃないかと思えてくる。そんな時は「なんでそーなるの!」と叫んで舞台下手に去っていくしかないね。