この本『災害ユートピア』、440ページもの厚さがある割りには重量感がなく、電車内で立って読んでもそんなに苦にならない。
この本を読むと、3.11東日本大震災直後の被災地の人々の冷静さは、日本的特殊事情ではなかったように思える。
1906年のサンフランシスコ地震から、2005年のハリケーンカトリーナまでの災害現場でみられた、ユートピアとも言える状況の出現が記されている。
災害直後にパニックに陥る群衆の中で叫ぶ女性、なんて映像が浮かぶが、どうもこれはハリウッド映画の思い込みらしい。
むしろパニックになるのは、被災した市民ではなくて、支配層の面々なのだそうだ。
そういえば、今回の原発関連対応を見ていると、一般市民よりトーデンやらオエライサン達の方がパニックで思考停止状態になっている感がある。
2500円もするのに、昨年12月発売で順調に版を重ねているようで、手元の本は既に4刷になっている。
原題は「A PARADISE BUILT IN HELL」。
『災害ユートピア』という邦題は、なかなかうまいね。
嗚呼、災害がなくても、ユートピアが出現したらいいのに…。
2011年6月27日月曜日
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