2014年4月2日水曜日

マンガ全席第30話【個人情報電話篇】


作者の立場からすると、マンガは作画するときよりも、構想を練っている時が一番楽しい。
構想が固まった段階で内容は完成しているのだが、作者以外にはイメージが見えないので、他の人にもわかるようにするのが、実際の画稿作成作業である。
そんなマンガの原稿制作は、読むスピードにくらべて桁違いに時間がかかるので、描いているうちにあきてくることがある。そんな時は背景で遊んでみたりする。群衆シーンの中に全裸の人物を配置したり、背景の看板に架空の商品名を表記してみたりだ。
いちばん安易なのが、看板の広告の電話番号。固定電話をひいたばかりの小津クンは、つい調子にのって自分の電話番号を書いてしまった。
その日から、イタズラ電話がちょくちょくかかるようになってしまい、後悔の日々がしばらく続くのだった。現代なら、うっかり自分のメールアドレスを書いてしまい、迷惑メールに悲鳴をあげるところでしょうか。
(明日に続く)

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