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2014年5月2日金曜日

マンガ全席第37話【記念写真】


まだデジカメがなかった時代、撮影した写真はすぐに見る事はできなかった。
数ヶ月後に現像に出してできあがった写真を見たら、ピンぼけだったり、目をつむっていたり、結果を見るまでハラハラドキドキしたものだった。
この三人も事務所開きの日に記念撮影したものの、どのように写ったかを確認するにはかなりの時間が必要だった。
で、その結果といえば、みごとに三人の顔は画面に入っていなくて、背景のボードが堂々と画面を占めていた。
そのボードに書かれた仕事のスケジュールは、まったくのデタラメ。
日付を見たら4月1日だったので、たぶんエイプリルフールのつもりだったのだろう。
(明日に続く)

2014年5月1日木曜日

マンガ全席第36話【出社初日】


マンガ同人誌「またずれ草」のメンバーも少年期から青年期を迎え人生の岐路に立つ年代になってきた。学生時代にデビューしたものの卒業を目前にして悩むもの、家業を継ぐべきかマンガを続けるか悩むもの、等々人生いろいろである。
そんな中、あんまり深くものごとを考えない三人が集まって、会社ごっこのようなことをはじめることになった。本人達はスタジオ・ゼロの現代版なんて勝手に思っているが、実態はそんないいものではなく、ただ共同の仕事場を構えたという、ただそれだけのことにすぎないのである。
それでも、まぁ新しい事を始めるのは妙に高揚感があるもので、全員張り切って出社第一日目を迎えた。
わずか三人とはいえ、組織には名前が必要である。
三羽烏と三ばか大将をひっかけて『3バカラス』と命名した。発音はスリーバカラスで、なにやら末期のGSのバンド名のようでもある。
感動の出社第一日目は、ネームプレートをドアにつけることから始まった。
その後は室内の掃除で大汗をかく三人だった。
日頃の運動不足で弱った体の三人は、掃除だけで疲れてしまい、その日は仕事もせずにそのまま帰宅しようということになる。元々それほど仕事をしていないから、一日くらい机に向かわなくてもどうってことはないのだった。
(明日に続く)

2014年4月7日月曜日

マンガ全席第35話【リンゴの妄想】


このマンガの1コマ目で「リンゴをかじると血が出ませんか?」と言っているのは、当時のコマーシャルのセリフ。
この頃は、リンゴといえばこれをイメージしたものだ。
現代でリンゴといえば、アップルコンピュータだろう。
リンゴをかじった小津クン、血は出なかったけど何かが閃いた。
ひとくちかじった跡の残るリンゴが、自分の未来に何か関係があるような気がしてならなかったが、それが何かは全然わからない。
コンピュータという言葉は聞いたことがあったが、マウスもタブレットも聞いた事も見た事もなかったこの時代、まさか21世紀までマンガ家として活動して、アップルのコンピュータで原稿を制作しデータで渡すなんてことになるとは夢にも思わなかった小津クンだった。
(いつになるかわからないけど、次回に続く)

2014年4月6日日曜日

マンガ全席第34話【平日昼間に集まる人々】


売れないマンガ家のいちばんいいところ、それは時間にしばられないこと。
たいして仕事をしていないので、毎日締切に追われるようなスケジュールではない。
ゆえに平日昼間にブラブラする生活をおくっている。
ただし近所の住民からは怪しまれるかもしれない。
学生に見られたり、浪人に見られたり、夜のショーバイに見られたり、とにかくサラリーマンではないなと思われる。
ところで、昔のプロ野球はダブルヘッダーというのがあった。
昼間からまず第一試合があり、少し休んで夕方にかけて第二試合を行い、その間入れ替え無しで楽しめるというものだ。相当時間がないと楽しめない興業ではある。
で、相当時間があるというか、ヒマを持て余している売れないマンガ家約二名は、まだドームではなかった後楽園球場にやってきた。
しかしこの日は、国民的人気選手の引退試合ということもあり、平日にもかかわらず大勢の観客がつめかけていた。おそらく仕事をさぼってやってきたサラリーマンと思われるスーツ姿の人もかなり見受けられる。この日ばかりは、売れないマンガ家もサラリーマンも、引退する選手に声援をおくり、その最終打席は併殺だった。嗚呼!
(明日に続く)

2014年4月5日土曜日

マンガ全席第33話【家出少年に説得】


かけだし漫画家の小津クンにも少しはファンがいる。
中には単なるマンガの読者でなく、漫画家志望の少年もいる。
そんな漫画家志望少年にとって、天才的な漫画家に対しては「ああなりたいな〜」という憧れだけだろうが、小津クン程度の漫画家なら「これくらいならボクでもなれるんとちゃう?よしなろう!」と思えてしまう。
ある日の事、漫画家志望少年が家出をして小津クンのところに向かっているとの連絡が警察から入って来た。
面識はないものの、何度か手紙のやりとりをしたことがある少年だった。
そんな手紙の中で小津クンは「キミはなかなかセンスがあるから何かあったら訪ねておいでよ」なんてテキトーな事を書いていたもんだから、それを真に受けた少年が家出して、向かっていると言うわけだ。
来てもらっても、昔の徒弟制度の時代じゃないから弟子入りなんてこともできないし、そのうちアシスタントを頼むかもしれないから、今日の所はひとまずウチに帰ってね!なんて説得しようとあれこれ考えていたがその必要は全くなかった。
雑誌に掲載されている住所をたよりに小津クンの住むアパートにやってきた家出漫画少年は、そのあまりのボロっちさにガッカリして、そのまま家に帰るのだった。ある意味、小津クンがグダグダ言うよりもよっぽど説得力のあるのが今の小津クンの生活ぶりだったのだ。とは言っても、小津クン自身はそれなりに楽しんでいるんですけどね。

2014年4月4日金曜日

マンガ全席第32話【ゲタばきデート】


1970年代のラジオは深夜放送全盛時代で、リスナーを招待しての公開録音コンサートがよくあった。
おカネのない小津クンは、このような催しによく応募していた。
応募するのはメールではなくハガキで、料金が7円から10円になった頃のことだ。
コンサートに出演するのは主にフォークソング系で、その中でもゲタばきがトレードマークだったのが、その頃「赤色エレジー」がヒットしていた、あがた森魚さん。
それに影響されてか、小津クンもゲタばきで公開録音コンサートにやってきたのだが、入り口でとがめられ、スリッパに履き替えさせられた。
ステージの上でのゲタは許されても、客席のゲタばきは許されないのだった。
めったにないデートなのに、履き替えたゲタをビニール袋に入れて、スリッパでペタペタ歩く姿では恋は生まれないのだった。愛は愛とて何にもならない。
(明日に続く)

2014年4月3日木曜日

マンガ全席第31話【個人情報住所篇】


昨日の電話番号ネタに続いて、今日は住所番地ネタ。
電話番号は流出してもまぁなんとかなる。イタズラ電話がいっぱいかかってきても、最終的にコードを抜いてしまえば一切呼び出しベルはならなくなる。
その点、住所が流出すると直接の影響があるので対処も困難になる。
情報流出ではないが、昔はマンガ雑誌のページの欄外に、「●●先生に励ましのお便りを出そう、住所は●●県●●市●●町●丁目●番地」などと詳細な住所が掲載されていた。
小津クンも子供のころは、そんな雑誌の住所をたよりに愛読するマンガ家さんのところに行ったものだが、時は流れいまや読者から訪問されるようになったわけだ。
しかし訪れる子供達は、かならずしも小津クンの熱烈な愛読者というわけでもない。たまたま自分の行ける範囲に小津クンが住んでいたのでやって来たなんてのもいる。サイン帳にサインしてくれというのでサイン帳を見たら、前のページには毒蝮三太夫のサインがあったりするのは、たぶん近所にラジオ番組の中継に来た時にもらったものだろう。
とは言え、数少ない読者をむげにするのもはばかられるので、お菓子をサービスしたり部屋にあげてマンガを読ませてやったりする。その結果、だんだん来訪者が芋づる式に増えて、放課後は毎日託児所状態になるのだった。
(明日に続く)

2014年4月2日水曜日

マンガ全席第30話【個人情報電話篇】


作者の立場からすると、マンガは作画するときよりも、構想を練っている時が一番楽しい。
構想が固まった段階で内容は完成しているのだが、作者以外にはイメージが見えないので、他の人にもわかるようにするのが、実際の画稿作成作業である。
そんなマンガの原稿制作は、読むスピードにくらべて桁違いに時間がかかるので、描いているうちにあきてくることがある。そんな時は背景で遊んでみたりする。群衆シーンの中に全裸の人物を配置したり、背景の看板に架空の商品名を表記してみたりだ。
いちばん安易なのが、看板の広告の電話番号。固定電話をひいたばかりの小津クンは、つい調子にのって自分の電話番号を書いてしまった。
その日から、イタズラ電話がちょくちょくかかるようになってしまい、後悔の日々がしばらく続くのだった。現代なら、うっかり自分のメールアドレスを書いてしまい、迷惑メールに悲鳴をあげるところでしょうか。
(明日に続く)

2014年4月1日火曜日

マンガ全席第29話【マンガ家専業宣言】


とりあえず学生でもありマンガ家でもある小津クンの生活は、まさに二足のワラジをはく毎日である。
しかし、ひとつ問題があった。
住んでいる場所と、通学する場所が離れすぎていたのだ。
そもそも上京して来た時に、何も考えずにマンガ同人誌「またずれ草」のメンバーが多く住む練馬区に居をかまえてしまい、通学する場所は全然関係ない吉祥寺というのが失敗の原因だった。
元々人ごみが苦手なのに、慣れないラッシュの電車通学は苦痛以外のなにものでもない。そんなわけで、いつしか学校への道が遠くなる。
結局、現実は学業も漫画家稼業もどっちつかずでパッとしなくなり、二足のワラジどころか、二兎を追う者は一兎をも得ずといった結果になってしまった。
そこで苦し紛れのマンガ家専業宣言だったが、マンガ家休業宣言にならないようにね、小津クン!
(明日に続く)

2014年3月7日金曜日

マンガ全席第28話【原稿のヨゴレ】


マンガの原稿はきれいなものから、そうでないものまでいろいろある。
修正部分が全然ないきれいな原稿から、二重三重にポスターカラーで修正して表面がゴワゴワになったものや、切ったり貼ったりの部分がいっぱいで原稿の裏をひっくり返したらセロテープがベタベタなんてのもある。
小津クンの原稿は、その中間あたりのヨゴレ具合で、可もなく不可もなしといったところか。まァ、原稿の内容も似たり寄ったりとも言えるが。
どちらにしても、紙原稿時代ならではのエピソードである。
現在のようなデータ原稿の時代から見ると、起こりえないエピソードとも言える。
データ原稿といっても、今のようにネット経由ではなく、当初はフロッピーディスク(FD)が中心だったので、本格的なマンガ原稿をこれで入稿するのには無理があった。
そこで次にやって来たのが光磁気ディスクとも呼ばれるMOだった。このMOならFDに比べて容量が大きいので、マンガ原稿の受け渡しも可能だった。しかし、FDに比べてMOは高価だったので、ディスクの表面に「要返却」なんて文字が書かれ、1枚のMOが何度も行き来していたのは歴史的事実である。
手から手へと渡るうちに、タバコのヤニやらコーヒーのシズクやらがMOの表面についたりして、だんだん汚れてくるのが常だった。
データ原稿なのにヨゴレがつくという、ある意味において過渡的な媒体がMOだったのかもしれない…などと、別に感慨に耽るような内容のマンガではないのだった。
(いつになるかわからないけど、次回に続く)

2014年3月6日木曜日

マンガ全席第27話【研鑽の日々】


マンガ家としての輝かしい未来を夢見て、研鑽の日々をおくる小津クンの日々は忙しい。
映画『イージーライダー』を見たり、小説『赤頭巾ちゃん気をつけて』を読んだり、時間はいくらあっても足りない毎日である。
しかしながら、映画を見たり小説を読んだりすることは、将来のマンガ家生活にはそれほど重要ではない。いちばん大事なのはペンを持つ事だ。
そんな小津クンが、ペンを手にして今いちばん熱心に取り組んでいるのは、いつの日か著書のサイン会でおこなう予定のサインの練習。
あんまり崩しすぎると読めないし、きちんと書きすぎると単なる署名になってしまうしで、サインもなかなか難しい。
そんなことする暇があるのならマンガの原稿を描けよ!と叫ぶハエのセリフは100%正しいのだった。
それにしても最近ハエの姿をあんまり見なくなったね。
今回のオチとは関係ないけど、映画版『赤頭巾ちゃん気をつけて』に出演した森和代チャンも可愛かったね。
(明日に続く)

2014年3月5日水曜日

マンガ全席第26話【原作是非論争】


マンガは絵が大事なのか、話が大事なのか。
そもそもマンガは絵と話でできている、絵と話が合体したものなら絵物語とどうちがうんだ、とか考え始めたら夜も眠れなくなる。
マンガ同人誌「またずれ草」の面々の間でも、そんなある意味不毛な論争が続いていた。
絵はヘタだけど話が面白いタイプ、絵はうまいが話がダメなタイプ、絵もそこそこ話もそこそこなタイプ、いろんなタイプの同人達の目下の論争のテーマは、マンガの原作は是か非かというものだった。
まぁ、読者としてはマンガに原作があろうとなかろうと、面白ければそれでいいのである。
で、マンガの描き手として一番ダメなのは、絵もダメ、話もダメ、というタイプというのは自明の理なのだった。
(明日に続く)

2014年3月4日火曜日

マンガ全席第25話【名刺交換】


いろんな人が集まるパーティだから、タダメシを食らうだけでなく地道に営業活動もおこなう小津クンだった。
まずは人脈作りの第一歩として名刺配りから始まる。
プリンタで自前の名刺を作るなんて時代はまだまだ未来の事で、この頃はお金を工面して印刷屋さんに頼むしかなかった。
お金のない小津クンの名刺は、なんとゴム版による手作り名刺だった。
今でこそ、そんな名刺を渡したら「わ〜手作り感100%でかわい〜」とか言われそうだが、当時はただ金欠のなせる技だった。
そんなにも苦労して作った名刺が、飲みものが入ったグラスの下でコースターがわりに使われているのを見て、静かに涙ぐむ小津クンだった。
そもそも名刺を配って人脈作りなんて発想が、夢多きマンガ青年にはそぐわないのにね。
(明日に続く)

2014年3月3日月曜日

マンガ全席第24話【マンガ賞パーティ】


出版社が制定するマンガ賞は授賞式のあとに祝賀パーティがある。
マンガ同人誌「またずれ草」同人にも招待状は届く。
ただし壇上で受賞の挨拶をしたりするようなことはない。その他大勢のにぎやかしみたいなものだ。
出席する小津クンたちの目的はただひとつ、パーティの料理でその日の食費の一食分を浮かす事だけ。
中央の大テーブルに並べられた料理の前に陣取り、下品にムシャムシャやって周囲の顰蹙をかうのだった。
(明日に続く)

2014年3月2日日曜日

マンガ全席第23話【真夏の編集部】

今と違って、昔の出版社はあけっぴろげだった。
社内に入る為のチェックなんか全然なくて、勝手に編集部まで入っていけたものだ。
ただ、いきなり行っても誰もいないなんてことがよくあるので、原稿持ち込みにもTPOが大事なのだった。
このマンガの編集部の場合は、夏の晴れた日の平日が狙い目。
そんな日は、男性編集部員のほとんどは在席している。ただし机の前でなく、窓際に集中している。
窓際と言っても閑職に追いやられたわけではない。隣接する女子校の屋上プールがそこからよく見えるからなのだ。
そんな日にやってきた小津クンも編集者達に混じって窓際に立ち眼下のプールを眺めるのだった。真夏の昼の夢のようなひとときだった。
(明日に続く)


2014年3月1日土曜日

マンガ全席第22話【たびかさなる打ち合わせ】


同人誌はともかく、商業誌のマンガとなると、作者が勝手に描けばいいってもんでもない。
担当編集者との綿密な打ち合わせも必要になる。
作画前のネーム段階で、編集側がツベコベ、いや、アレコレ意見を出して来て修正していく作業である。漫画家側からすると、内容が面白ければ打ち合わせ1回でゴーサインを出してほしいものだが、なんだかんだあって何回も手を入れるのが普通らしい。だんだん経験を積んでくると、このへんの呼吸がわかってきて、最初のネームではわざと不完全な構成にして、つっこみどころを用意したりすることもある。
で、結局のところゴーサインが出たのは、一番最初のバージョンのネームだったりすることもある。なぜ、そんなことがあるかというと、何回も打ち合わせをして、よけいな口出し、いや、的確な助言を出してきたと自負する編集者自身が、最初のバージョンがどうだったかを覚えていないことがよくあるからだ。
というわけで、漫画家と編集者の打ち合わせのほとんどは時間の浪費である。しかし、そんな中から別の発想が出てくることもあるから、あながち無駄とも言えないのである。じゃあ、打ち合わせはしたほうがいいのか、しないほうがいいのか、どっちなんだと言われそうだが、世の中のほとんどの問題と同じで、そんなのどっちでもいいや!というのが結論である。
(明日に続く)

2014年2月7日金曜日

マンガ全席第21話【連載の長短】

漫画家の仕事に契約書というものはない。今はどうかわからないが、小津クンがかけだし漫画家だった約40年前頃はそうだった。
連載の回数なんて、とてもあやふやなものだった。
打ち合わせに時間をかけて満を持してスタートした作品がすぐ終わったり、穴埋め読み切り作品が何年も続く連載マンガになったりもするから、意外性があって面白いと言えば面白い。
驚くべき事に、原稿料のとりきめもほとんどない。
入金があってはじめて、ページあたりの原稿料がわかったりする。これってビジネスなのかとも思うが、よくいえば牧歌的な時代であった。
後年、小津クンもだんだん評価されて新聞やマンガ雑誌以外の雑誌などでも仕事をするようになり、マンガ雑誌の原稿料があまりに安い事に気付くのだった。
本来ならば、マンガがメインのマンガ雑誌の方が、原稿料も手厚いのが道理だと思うのだが、果たして現在はどうなのであろうか。
アシスタントが何人か必要な体制のマンガ家の場合は、連載が終わったらトータル赤字だったなんてこともあるという。このようなのを「連載貧乏」というらしいが、漫画家というものが職業として成り立つのか心配になりそうなエピソードではある。
(いつになるかわからないけど、次回に続く)


2014年2月6日木曜日

マンガ全席第20話【食の恩】

専属契約を結んでいないかぎり、どこの出版社の雑誌で仕事をしようと、それは漫画家の自由なのだが、そこはそれ、なんとなく○○社系という感じになってしまう。
その理由はいろいろあるが、小津クンの場合は単純である。
打ち合わせ時に編集部でいろんなものを食べさせてもらう機会があるのだが、ここの編集部はロシア料理店から美味しい「ビフテキ弁当」の出前をとってくれるのだ。
他社の場合だと、社員食堂に連れていかれて「残業定食」なるものをふるまわれたりするだけだからこの差は大きい。
残業とビフテキの勝負なら、ビフテキの勝利は、火を見るより明らかなのだった。
それにしても、最近あんまりビフテキって言わなくなったね。
(明日に続く)


2014年2月5日水曜日

マンガ全席第19話【デヴューいろいろ】

漫画家デヴューの方法はいろいろある。
以前は雑誌デヴューしか道はなかったが、インターネットの時代になり様々な道が開けた。これからも、いろんな方法でデヴューする漫画家が出てくるだろう。
しかし、実はデヴューよりも、その後の活動のほうが肝心なのである。
これは今も昔も変わらない。
(明日に続く)


2014年2月4日火曜日

マンガ全席第18話【返却原稿】

貸本単行本時代のマンガ原稿の扱いはひどくて、漫画家に返却しないでゴミ箱に捨てられたこともあったらしい。さすがに雑誌時代になってからはそんなことはなかったが、返却段階でちょっとしたミスが起きる事はあった。
連載作品のうち、ある回の分だけ紛失なんてことがたまにはある。このマンガのように、他の漫画家の原稿が返却されることもある。いや、自分の原稿じゃない場合は返却とは言わないか。
これからは紙原稿からデータ原稿への移行がさらに加速するだろうから、未来の漫画界ではこんな事件は起きないであろう。未来に漫画界が続いていればだけど。
(明日に続く)